頼むから自由にしてくれないか?

創作、ブンゲイファイトクラブ、六枚道場について綴る文芸にんげん。あとたまにラーメンと仮想通貨。ラーメンライター。

【12/18】日記【会社サボり】

 会社をやすむ。サボる。サボり癖がついてる。癖じゃない。習慣だ。倉式珈琲店でサボる。コーヒーがうまい。でも、おれは頻尿なので、利尿作用がすごくて。じゃんじゃん小便が出る。腰もいたい。
 会社の仕事ができない。相手の言うことがわからない。運転もできないし、我慢ができない。いや、できるけど我慢したことを後で悔やんでしにたくなる。なに我慢してんねん。このときの僕は狂犬めいている。噛みつくぜ、わんわん。埼玉の川越から新橋の、シンクライアント端末へ。お前遅すぎなんじゃ。重いんじゃ。動作が。中身空っぽの癖によ。わかるよ。お前の気持ちはわかる。別に重たくなりたくて重たくなってるわけじゃないよな。
 大学に行けたのは嬉しく思ってる。この肩書きで転職がスムーズにいっているのかもしれないなって。でも、おれは別に頭良くない。怠惰だし最近毛が抜けて無意味に性欲も強い。日々生産無く生きている実感がある。だから「どうせ大学行ってるでしょ?」と話を終わらせないでくれ。あの時がなけなしの頑張り力のピークだったんだ。
 おれの小説と死刑囚の小説、おれの日記と統合失調症の息子が母に宛てた日記、そんなのおれだって後者の方が読みたいよ。おれ、別に幸せだもん。彼らと比べたら幸せだもん。両親はちょっと過保護で甘えて実家住んでるけど、感謝してる。でもおれの小説はおれにしか書けないこと書いてるし、これからもそのつもり。くだらねえ。そんなの当たり前だ。うるせえ、当たり前のことができねえんだ。道が覚えられないんだよ。生きてるだけで痛いんだ。だからおれもぶれずにやらないとな。いや、ぶれてやる。地球の地軸からみたら、おれが何しようとブレの範囲内。個人が大衆気取ってんじゃねえ。おはよう小鳥さん、ガー。

【ブンゲイ実況】BFC2本戦、Gグループ【20201211】

こんにちは。ハギワラシンジです。
2020年12月11日に行ったブンゲイ実況のまとめを、 ここに残したいと思います。

作品、ファイター(敬称略)

「メイク・ビリーヴ」如実
https://twitter.com/___Milne?s=09

「Echo」奈良原生織
https://twitter.com/book_inn?s=09

・作品掲載リンク https://note.com/p_and_w_books/n/n7b1cf12958ad

感想、実況内容

「メイク・ビリーヴ」
いろんなことを想わされて、いろんなことを言いたくなるが、自分(ハギワラシンジ)としては「わたしディーンアンドデルーカのことがこわいの」の一文で
やられてしまった。
後半部分のテプラの羅列。これは詩なのかな。と思った時、「そうではない」と考えた方が楽しいと感じた。女が「春と修羅」を読んで「テプラだ」と思ったように、女にとっては「テプラ」なのだと。詩とか、文学ではなく、テプラによる名付けなんだなと。
あと「第一次テプラブーム」と「第二次テプラブーム」でテプラを貼ることの意味が違う。一次の場合、女は「冷蔵庫が冷蔵庫であることを知らない」から「すもも」と名付けている。二次の場合は「冷蔵庫が冷蔵庫であること」を知っている。もう、冷蔵庫を知らなかったあのころには戻れない。だからスランプがあったのかもしれない。しかしじぶんのことを「仮定された有機交流電燈」と「仮定」することで、乗り越えることができる。だからこそ最後の生業テプラの羅列部分は悲壮感に満ちている。

「Echo」
概念猿は人間との間に、何か利害関係があったのだろうか。
概念猿は、概念谷にしか住んでいないのか。
概念谷とは物理的に存在せず、本当の概念として読める。
この谷には概念と具象が混在している。エンターキーで砕かれた水面、とか。男はechoしてもらえなかったのかも。実生活で。
男の吸い殻とは文字通り、概念猿によって吸われた「殻」。最初の方で、概念谷を吸い殻の底と比喩していたのはここに繋がりそう。
増えすぎた概念(実社会のデータ)の排出先としての概念谷、その排出システムの一端を担う概念猿。この概念猿が逃げ出すかして、その捕獲命令が出た。→その後捕まえられずに、データセンターの「冷却システム」に不具合が発生したということだろうか。
猿はデータセンター内で、言葉を食べさせれていなかった?(弱っていたという描写)
また本作は時系列が難解なので、整理しておく。(あっているか分からない)
①概念谷発見
②契約
③データセンター設立、稼働
④Fやってくる
⑤概念猿、何らかの理由で捕獲対象に。F頑張る。冬
⑥データセンター消失
⑦男、概念猿と遭遇


以上です。ありがとうございました。

【ブンゲイ実況】BFC2本戦、Eグループ【20201209】

こんにちは。ハギワラシンジです。
2020年12月9日に行ったブンゲイ実況のまとめを、 ここに残したいと思います

BFC2本戦、Eグループより、白川小六さん「地層」を実況させて頂きました。

白川さんプロフィール

twitter.com


いやー、面白かった。
深読みしすぎたかもしれませんが、いのりくんと楽しく読みました。では以下リンクと感想、実況内容です。

実況リンク





感想、実況内容

こんな自然災害が起きているのに、この家族たちは明るく、たくましく生きている様子が描かれている。
最初は底抜けに明るい物語だなと読んだが、読み進めていく内にこれは、「災害を生き延びられ無かった視点がない」んだなと感じた。
3ページ辺りに「泳げる生き物は大丈夫だ」と書いてあるのは「この災害を生き延びる能力がある人たちは大丈夫だ」の比喩と読めるし、カラスたちはどこかに行きたても行けない人々を暗示しているように読める。

そして「私」含めた子供たちは、適応できなかった人たち、「地層」になったものたちへの想像力に一切関心が無い。
この災害もどこか非日常として楽しんでいるかのように思える。(台風の日にはしゃぐみたいに)

思い返してみれば一ページ目に泥を「チョコ色」と感じているのも、泥を怖いものとして見ていないから、こんな風に言えるのだと思う。

ただ、この話の良さはを「持つ者」「持たざる者」の対立構造を、明確に、批評的に書いていないところじゃないかと思う。

単に「持つ者が持たざる者の地層の上に、笑顔で暮らしている」だったら興覚めだった。
この作品はそういう説明的だったり、説教臭かったりするところが一切なく、幸せな家族の幸福な一風景として読めるのが良い。
もう大体のものが淘汰されてしまって、残ったものたちが単純に明るく青空を見上げている。そういう「どうしようもなさ」が、
悪く描かれずに、あるがままに描かれていることに感動した。

最後に父親が「家はまた建てればい良い」と言う。
これは子供が直後で少しだけ不安な様子を見せていることに対しての「励まし」と読むのが素直な読み方だろう。
でも、この言葉を言ってしまったことで子供たちが「そうか、家なんて建て直せばいいんだ」という思考になっていくな……と感じた。
「泳げなかったものたち」への想像力の一切を欠いたまま、子供たちは大人になって、地層になっていくのだろうな。

以上です。読んで下さり、ありがとうございました。

【ブンゲイ実況】BFC2本戦Gグループ【20201205】

こんばんは。
ハギワラです。2020年12月5日に行ったブンゲイ実況のまとめを、
ここに残したいと思います。

今回もとても濃い内容でした。岸波さんの短歌は基本的にコミカルにとらえたのですが、本当にそれで捉えていいのか分からない部分もありそのぼやかされ方が面白かったです。冬乃さんは、キャスにも参加してくれて、とても解像度の高い読みをすることができました。お二人とも有難うございました。

対象

BFC2 本戦Gグループ
「茶畑と絵画」岸波龍さん
twitter.com

「ある書物が死ぬときに語ること」冬乃くじさん
twitter.com

ブンゲイ実況リンク



茶畑と絵画実況開始(00:06:24~)
茶畑論(00:15:00~)
妻寝言とフライドポテトよこすんだのキャラが被って楽しい(01:12:40~)



校長と教頭が武闘派過ぎねえか(00:05:12~)
「絵を描く」で急に自我を出されるのがいやだった(00:25:25~)



ギョンギョンはオートマトンの首からばねが飛び出ている音?(00:05:20~)
「ある書物が死ぬときに語ること」実況開始(00:11:22~)
作品終盤、若い女が出てきたのは失恋させるため?(00:51:50~)
とらねこ参戦(00:57:40~)
いんすら再び(01:01:23~)
きさめ参戦(01:01:07~)



大江さんのジャッジ評について(00:00:50~)
大江さんとくじさんの間では、死生観にズレがあるのでは(00:13:40~)
竜胆さんジャッジ評(00:22:25~)

作品感想、実況内容

「茶畑と絵画」岸波龍
①柔道部はかかしか? いや、もしかしたら茶畑側の目線なのかもしれない。コミカルにも読めるし、やばい柔道部本当に待ち構えている恐怖の光景とも読める。

②マダラエイはたぶん、そういうメタファーで、舞台は水族館とか? 一瞬を切り取った誰かの目線。あるいは少年(と仮定して)がよくやるチンポジ直しか。

③二人の男女がいるとして、何でもいいから会話してほしいという気持ちを感じる。インド、パラグアイ、カナダ、という要素を大きくとるか小さくとるか意見が分かれる。

④ラブ。ラブの話。575で区切れるけども、「プルースト長すぎて無理」でいったん区切ることもできる。するとプルーストへの向き合い方が変わる。

⑤二人の仲の良さが垣間見得る。妻の寝言を真剣にとらえて、グミを買ってくるという。「何でグミ買ってきたの?」「さっき寝言で言ってたからね」「やだもー」といういちゃいちゃを楽しむと幸せになれる。ただ「妻寝言」は「妻の寝言」で省略しているので厳しい人はここで減点するかもしれない。

岩盤浴(がんばんよく)が二回続く。n音がたくさん入ることによって跳ねる印象が際立ち愉しい。また前半と後半の間に一時開けてある(スペース)ことに、時間の経過を見出すことができる。

⑦「よこすんだ」がおもしろい。だれがだれにフライドポテトよこしているのか、ぼかされている気がして。あと読んでいく内に「妻寝言」の妻とキャラクターが同じなのかもしれないな、となった。

⑧「上履きにヨーグルト」が嫌すぎる…。画鋲じゃないんだ…。またヨーグルト=乳製品で、そういうものを軽く扱う「女が母になる」という意味の補強にもなっている。これも「あんな女」で時間が経過しているように感じる。

⑨「うち底ぬけました」がキモ。自分の感性の底が抜けた、とも家の底が抜けたとも読める。まさしくマジックリアリズムとして。

⑩わかるー。こういう奇術師いるー。こっちは奇術に来ているのに、なんかこっちがもてなしている感じ。

⑪いったい何をしたら、教頭と校長がこんなに武闘派になるのか。また今までは文の切れに空白を挿入していたが、今回は「、」読点が使われているのが面白い。校長教頭の物理的なパワーを感じる。

⑫電話越しの「越し」がよい。「電話」だと音声的だが「越し」が入ることで向こう側の存在、肉体を連想させる。あと「死にたい」を重くとるか軽くとるか、も分かれるところ。(死にたいが口癖なのかも)前の句との関連もあるか。

⑬これだけ妙に完成度が低く感じる。意図があるように思う。「絵に描く」が作者の宣言、つまり「俺は短歌を詠む」という風に読み替えが可能なのではないか。ただ、そう読み替えたとしても作者の自我がここで出てきてしまうのは冷めてしまう。そしてもし「絵に描く」が宣言なのだとしたら、もう一歩踏み込んで欲しかった。どんな絵を描くのか、など。

⑭いきなり今までの流れをぶった切った単語が出てきた。これは前の句の宣言を受けての「証明」ということだろうか。

「冬乃くじ」
一つの理想郷。ぜひここに行きたいし、仲間に入りたい。ワアワア言いながらもお互いをリスペクトして、そういうところで死ねたら幸せ。
しかし、さらに良いのはその理想郷が「終わること」だと思う。六枚の中できちんとそこを外したのは、丁寧だし見事。小手先の部分が無い。
この図書館、ブンゲイ老人ホームが(あえて言うなら)サードプレイスとして優しく機能しているのが見て取れる。
作中ラストの若い女が訪れるシーンは、いきなり登場して誰だか分からなかったが、おそらく「死の天使」だろう。この女は死のメタファーとしてとらえるのが自然かも。パンは聖体だし。


以上です。ありがとうございました。

【ブンゲイ実況】BFC2、F、Gグループ【20201204】

こんにちは。
ハギワラです。2020年12月4日に行ったブンゲイ実況のまとめを、
ここに残したいと思います。

対象はFグループより、「ボウイシュ」一色胴元さん。Gグループより、「ミッション」なかむらあゆみさん。
二つともカタカナだ’なぁ。(こなみかん)

胴元さんは「謎解き!ハードボイルド読書探偵局」を運営されており、前回BFCでも予選突破している実力者です。
anchor.fm

あゆみさんは、今年、今最も熱い地方文学賞「阿波しらさぎ文学賞」で特別賞を受賞されました。さらにBFC前夜オープンマイクという催しで公開した「赤いパプリカ」という作品が謎の翻訳家 Toshiya Kameiさんの手で翻訳され米誌「Deracine Magazinesi」(12月刊行)に掲載予定の素敵な「ときどきフリーアナウンサー」です。

ゲストは宮月、いのり、いんすらが来てくれて、ありがたいことに、なかむらあゆみさんご本人も来てくださりました。

実況リンク



ボウイシュ実況開始(0:07:00~)
いんすらコラボ開始(1:14:00~)
ミッション実況開始(1:30:00~)



ジャッジの実況(0:06:40)



なかむらあゆみさん、コラボ開始(0:17:50~)

作品感想、実況内容

「ボウイシュ」
(すみません、後日テープ起こしします……)

「ミッション」
話が横滑りしている。どんどん状況が変わっていき、今読んでいるところが前の話を殺している。
「ミッション」のスケールも変わっているかもしれない。
個人に課した課題から、もしかしたら本当に世界を救っている、とも読める。
二人の関係性も、話が進んでいって明らかになるというわけではない。「アップデート」されていく感覚。それでいて破綻していない。
技巧的にすばらしく、おもしろい。この困惑を、意味不明な謎として読み、素直に話を読んでいってしまうのはもったいない。
本作は「変な話」なので、おもしろく読んだ方が楽しめる。
これは二人の女性が舞台で繰り広げる「コント」だと思うと腑に落ちるかもしれない。

今回も有難うございました。
次回も宜しくお願い致します。

【ブンゲイ実況】アーカイブまとめ【20201202】

こんにちは。

ハギワラシンジです。

12/2のブンゲイ実況のアーカイブまとめです。星野いのりくんがツイートでまとめてくれたので、それを貼ります。(ひとまかせ)

 

https://twitter.com/kT7Jrvhnsq58RhA/status/1334248978783735808?s=19

 

対象はBFC2本戦Fグループのこい瀬伊音さんの「人魚姫の耳」でした。

 

この作品は、平易な文体でするする読めてしまいますが、最後呆気にとられてしまいます。およそシークエンスにとらわれていない、自由な作品として読めました。

我々は作品を書くときに、文脈や人称をととのえがちです。「このシーンの次にこう」「こいつが話してるから次はあいつがしゃべる」など。

しかし「人魚姫の耳」はその境界線が精霊の泉の如く曖昧でぼかされておりました。追っていた話がいつの間にか、別の話に刷り変わっているような感覚です。いや、それこそ水のようにボーダーなどないのかもしれません。よかったです。

【ブンゲイ実況】ほぼ第一回【BFCEロマンドール】

 こんにちは、ハギワラシンジです。

今回はブンゲイ実況のアーカイブを掘り返してきたので紹介します。

 

https://twitcasting.tv/hagiwarasinzi/movie/578543025

 

https://twitcasting.tv/hagiwarasinzi/movie/578551215

 

 こちらは記念すべき?ほぼ第一回のブンゲイ実況です。対象は第一回ブンゲイファイトクラブ録画が残っていてよかった……。

 今でこそ、たくさんの解説者や仲間に恵まれわちゃわちゃしているブンゲイ実況ですが、一年前はもっとgdgdしていました。だって僕一人ですし。ラーメンの話とかおっ始めてますね。恥ずかしい。

 

 内容を聴く限り、Fグループ伊予夏樹さん「天空分離」と、Gグループ伊藤なむあひさん「跳ぶ死」川合 大祐さん「ニルヴァーナ 川柳一〇八句」中島 晴さん「パゴダの羽虫」について話しているようです。あとラーメン二郎の話。この時の自分をぶん殴りたい。

 

 この時、伊予さんの作品を読んで「なにこれやっば」ってなった記憶が今でも鮮明に残っています。BFC、って何でもありなんだなと実感した瞬間だったかもしれません。だって架空世界(天空大陸フラナリー)の架空歴史資料ですよ?あたかも本当のように書かれていて、伊予さんはそうのが本当にうまかった。同氏は今、フラナリー世界に行ってしまわれているようですが、またお話を聞きたいものです。

 

 また伊籐なむあひさんについても思い出深いです。本戦作品も確かに面白いのですが、個人的にはタイセンE(第一回BFCの場外乱闘リング)作品の話である「天使のマーチャンダイジング」が印象に残っています。これは店の前で串刺しになったまま微笑む天使の肉を、文字通り切り売りする一族の話なのですが(要約していているだけでおもしろい)、ブンゲイ実況において「作品を考察すること」を強く意識した作品でした。あーでもないこーでもない、と実況するのはなんともうまくいかないことで、そして愉しいことでした。

 

ブンゲイファイトクラブ1回戦Fグループ|BFC ブンゲイファイトクラブ @ken_nishizaki #note https://note.com/p_and_w_books/n/n71276294b522

 

ブンゲイファイトクラブ1回戦Gグループ|BFC ブンゲイファイトクラブ @ken_nishizaki #note https://note.com/p_and_w_books/n/n66eaf2d1fe33

 

↓ロマンドールのリンク(ノリが恥ずかしいけど許してください)

https://twitter.com/hagiwarasinzi/status/1196055164148310016?s=19

 

 ちなみになんでグループばらばらに話しているかというと、僕が勝手に行った読者投票「BFCEロマンドール」の結果を参考にしているからですね。たぶん。

 

 だいぶ手探り感が強く、いろいろと荒いですがBFCが始まったばかりの空気を感じて下さったら幸いです。